- 2024年9月10日
「SDGs」と「Webマーケティング」で売り上げ向上!?
持続可能な開発目標(SDGs)を取り入れたWebマーケティング戦略で、企業価値を高め、顧客との絆を深める方法をご紹介しま……
SDGs(Sustainable Development Goals)は、国連が2015年に採択した「2030アジェンダ」に盛り込まれた17の目標と169のターゲットのことです。気候変動や貧困、ジェンダー平等、エネルギー、海洋資源など、人類や地球が直面する課題を包括的に解決することを目指しています。2030年までに持続可能な世界を実現するための指針として、世界中の政府・企業・市民社会が協力して取り組むことを求められています。
企業がSDGsに取り組むことは、単なる「社会貢献」だけにとどまりません。
上記のように、企業がSDGsを取り入れることは、社会的責任を果たしながら同時にビジネス拡大にもつながるメリットを有しています。このSDGsへの取り組みを「広告」を通じてどのようにアピールできるかが、現代のマーケティング戦略の大きな鍵といえます。
広告は企業の認知度を高め、製品・サービスを拡販するための重要な手段です。しかし最近では、消費者の価値観の多様化に伴い、「企業がどのような社会貢献を行っているのか」を重視する傾向が強まっています。
ここでは、いくつかのSDGsの目標と連携させた広告施策例を見てみましょう。自社のビジネスや理念にマッチする形でSDGsを活用することがポイントです。
このように、自社で行っているSDGsの取り組みと広告表現をしっかりリンクさせることで、「自社が本気でSDGsに取り組んでいる」ことをわかりやすく伝えることができます。
SDGsに真剣に取り組む企業は、消費者だけでなく従業員やステークホルダーからも信頼を得やすいという特徴があります。広告を通じて具体的な取り組み内容や成果を共有することで、企業への共感が高まり、ロイヤルティを獲得しやすくなります。
SNS世代の消費者は、企業が持つ「社会的意義」に強い関心を抱きやすいです。SDGsの達成に積極的に貢献し、わかりやすく広告でアピールしている企業は、多様な層から注目を集めやすく、新規顧客や新しいファンを獲得しやすくなります。
SDGsに取り組む企業は、自社の従業員にも「社会的貢献」「誇り」など、ポジティブな意識を与えます。広告活動を通じて企業の姿勢や成果を外部に発信することで、従業員自身も自分たちの仕事にやりがいや意義を見出しやすくなります。
SDGsを軸にした広告戦略は、短期的な売上向上だけでなく、長期的なブランド価値の向上をもたらします。市場環境が変化し続ける中でも、社会問題への取り組みを継続的に行う企業は、持続可能性の観点から評価され、生き残りやすい環境を構築できるのです。
SDGsの取り組みを効果的に広告へ落とし込むには、以下のようなステップを踏むとスムーズです。
まずは自社のビジネスモデルや事業内容を棚卸しし、SDGsの17目標のうち、どれに強く関連しているかを洗い出します。たとえば、製造業であれば「エネルギー」「廃棄物削減」、サービス業であれば「人材育成」「ジェンダー平等」といった形でマッチングさせます。
SDGsの達成度合いを示すために、実行可能なKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。
続いて、具体的な広告プランを作成します。テレビCMやSNS広告、オウンドメディアや紙媒体など、どのメディアを使ってどのターゲットにアプローチするかを検討します。SDGsの取り組みを単に「売り込み」的に見せるのではなく、「共感」を生むストーリーやビジュアルを重視するのがポイントです。
広告の制作では、以下の点を意識しましょう。
広告を実施したら、設定したKPIや広告の認知度・コンバージョン率などを計測し、取り組みの効果を評価します。目標に達していない場合は原因を分析し、施策を修正・強化していくPDCAサイクルを回します。SDGsに関する取り組みは長期的な視点が必要なので、継続的に改善を行うことが大切です。
SDGs達成には企業単独での努力だけでなく、取引先や顧客、地域社会、NPO・NGOなどとの連携が重要です。たとえば、サプライチェーン全体で環境負荷を減らす取り組みや、地域住民と協力して社会課題を解決する活動を行い、それを広告で発信することで、大きなインパクトを生み出します。
広告で謳うSDGsの取り組みに対して、裏付けとなるデータや活動実績をオープンに公開することが欠かせません。サステナビリティレポートやウェブサイトでの開示など、消費者・投資家・メディアがいつでも確認できる仕組みを整えることで、信頼性を高めることができます。
社外への広告発信だけでなく、社内への啓発活動も重要です。従業員がSDGsの重要性や自社の取り組みを正しく理解し、自ら行動できるように研修やワークショップを実施することで、広告に使うエピソードも自然と社内から生まれやすくなります。
SDGsは2030年を目標としていますが、持続可能な社会の実現にはそれ以降も継続的な努力が求められます。企業の広告活動も短期の売上拡大だけを目指すのではなく、長期的なブランド育成と社会貢献を両立させることが肝要です。また、社会情勢の変化や技術革新などに合わせて戦略を柔軟にアップデートしていく姿勢が求められます。
欧米の大手企業では、環境問題や人権問題などSDGsに紐づく取り組みを大々的に広告展開しているケースが多いです。たとえば、コーヒーチェーンのスターバックスはフェアトレードコーヒーの調達拡大や、サプライチェーンでの環境負荷低減を明確な目標とし、それを広告やSNSで定期的に発信しています。このように、ビジネスモデル自体をSDGsに合わせて変革することが、長期的な支持を得る鍵となっています。
日本国内でも、化粧品メーカーや食品メーカーなどがSDGsの考え方を取り入れ、原材料の調達や製造過程での環境負荷削減、社員の働き方改革などを進めながら、広告を通じて積極的にアピールしています。こうした企業は株主や消費者から高い評価を得ており、ブランド価値の向上につながっています。
SDGsへの取り組みは、大企業だけのものではありません。地域密着型の中小企業やスタートアップでも、社会課題を解決するビジネスモデルを開発し、広告で発信することによって大きく注目を集めるチャンスがあります。特にSNSを活用した発信はコストを抑えながら高い拡散効果が期待できるため、小規模企業にとって有効な戦略といえます。
SDGsの理念と企業広告の役割を上手に融合させることで、企業は単に売り上げを伸ばすだけでなく、社会課題の解決に寄与し、ステークホルダーと共に持続可能な未来を創り上げることができます。これは企業にとっても大きなビジネスチャンスであり、同時に社会的信用を高める最良の手段です。
しかし、注意しなくてはならないのは、本質的な取り組みを伴わない表面的なアピールは逆効果になるということです。消費者は企業の姿勢や実績をよく見ています。持続可能な未来への本気度を伝えるには、透明性をもって継続的な努力を示し、その成果をわかりやすく広告で発信していくことが不可欠です。
SDGsと広告をうまく融合させる企業が増えれば増えるほど、社会全体の意識も高まり、持続可能な経済・社会が近づいていきます。これから企業が生き残り、かつ成長していくためには、SDGsを無視することはできない時代となりました。マーケティング初心者の方も、ぜひこの機会にSDGsと広告の関係性について理解を深め、実践に役立ててみてください。
株式会社アドマーケグループでは、SDGsの目標達成に向けた取り組みを積極的に行っています。広告代理店としての専門知識やマーケティング手法を活かし、クライアント企業が持続可能な社会づくりに貢献するためのサポートを実施。その一環として、以下のページで具体的なSDGsの方針や事例を公開し、透明性をもって活動内容を紹介しています。
今後もSDGsを活かした広告戦略やコンサルティングを通じ、企業と社会が共に発展できるビジネスモデルを追求してまいります。